【掃除のプロ監修】
家族の食事を用意する場所であるキッチンは、非常に汚れやすい場所です。特に野菜炒めを作ったあとや揚げ物をしたあとは、油汚れに悩まされることもあるでしょう。日々の家事に追われ油汚れを放置していると、汚れが固まり「なかなか落ちない!」と悩むこともあるはずです。実は、キッチンを清潔に保つためにはちょっとしたコツがあります。油汚れをきれいに落とす方法のほか、油跳ね対策商品を紹介するのでぜひお役立てください。
1. キッチンの油汚れが簡単に落ちない理由
キッチンの油汚れを掃除しながら、「どうして油汚れはなかなか落ちないのだろう?」と悩んだことはありませんか?その他の汚れに比べ油汚れが「落ちない」理由には、「油の性質」が関係しています。油はそもそも水に溶けにくく、水拭きしただけは簡単に落ちません。
また、油とプラスチックの分子構造が似ていることも、理由に挙げられます。ものには「同じ素材のものと付きやすい」性質(親和性)があるため、原油を原料とするプラスチックに油が飛び散るとお互いが引っ張り合い、取れにくくなるという原理です。
そして、油は熱が加わることで液状になりますが、冷めると固まってしまいます。油がついた状態をそのままにしてしまうと固体状になって、より落ちにくくなるので注意が必要です。 こうした汚れが積み重なると、最終的に「拭いても拭いても落ちない頑固汚れ」となってしまいます。頑固汚れを作らないためには、水拭きするだけでなく調理後に油汚れ用の洗剤や掃除グッズを使って迅速に汚れを取るようにしましょう。
2. キッチン油の効果的な落とし方
「なるべく早く」落とすことが鉄則の油汚れですが、水拭きでは簡単に落ちないのは前述の通りです。キッチン掃除のストレスをなくすため、キッチン油の効果的な落とし方を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- 重曹
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弱アルカリ性の重曹は、酸性の油汚れと中和反応を起こします。そのため、油汚れが気になる部分にサッと振りかけ少し放置すると、油を拭き取ることが可能です。時間が経ってしまった油汚れも落とせることがあるので、ぜひ試してみてください。
重曹は100円ショップやドラッグストアでも購入できるので、お財布に優しいのも魅力です。また、スプレータイプの重曹なら、汚れが気になったときにシュッと振りかけるだけで良いので、ストレスなく掃除できるでしょう。
- スポンジ
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「重曹を使わないと油汚れは落とせないの?」と疑問に思う方もいるでしょう。キッチン用の中性洗剤は界面活性剤の働きで汚れをはがすため、軽度の油汚れならキッチン用の中性洗剤+スポンジの組み合わせで落とせます。水と中性洗剤を含ませたスポンジで油汚れを拭き取り、水拭きをしてから、乾いた布で拭いてみてください。
なお、キッチン台やコンロ台の上、シンクの中などは、メラミン樹脂で作られた「メラミンスポンジ」を使用するのも手です。水に濡らしたスポンジに、食器用の中性洗剤などで汚れをこすり落としましょう。メラミンスポンジには研磨作用があるので、軽い油汚れならこれだけで落とせるはずです。あまりゴシゴシと強く擦ると、素材を傷めてしまう恐れがあるので、隅の目立たないところで試して大丈夫なことを確認してから、広い面をお掃除すると良いでしょう。
3. 場所別のキッチンの油汚れの落とし方
頑固な油汚れで悩まされるキッチン回り。 レンジフードのみならず、プロペラタイプの換気扇やガスコンロの油汚れに悩む人もいるでしょう。油汚れの落とし方を場所別に紹介するので、ぜひ試してみてください。
- 換気扇(プロペラタイプ)
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料理中に飛び散る油は、コンロ回りに跳ねるような「目に見える」ものだけではありません。空気中にも油は混ざっており、その空気を換気扇が吸い込むことでファンやその周囲に油汚れが付着します。
換気扇に付着した油をそのままにしておくと時間とともに固まり、粘着度が増していきます。ここにホコリが付着したり、油が酸化したりすることで、黒っぽい「ベトベト」の油汚れが溜まってしまう理由です。
以下では、具体的な掃除方法を紹介します。前述の通り油汚れは酸性なので、掃除の際はアルカリ性の洗剤を使用しましょう。なお、手荒れを防ぐための「ゴム手袋」、浸け置き洗いで使用する「大きいゴミ袋」、コンロとシンクを保護するための「新聞紙」、細かい部分を掃除するための「スポンジ」「歯ブラシ」、外せない部分に洗剤を拭きかける際に使う「スプレーボトル」などもあると便利です 。
●用意するもの
新聞紙、
ゴミ袋(45Lなど大きめのもの)、 ゴムマット、 重曹、 セスキ炭酸ソーダ、 スポンジ、 ブラシ、 雑巾、 ゴム手袋 - 【STEP 1】
まずは掃除中に間違えてコンロの火を点けないように、着火ボタンのロックを必ずかけておく。
- 【STEP 2】
換気扇の掃除中に汚れないよう、新聞紙でコンロの上を 保護する。
- 【STEP 3】
シンクが傷つかないように、シンクの底に雑巾やゴムマットを敷いておく。
- 【STEP 4】
換気扇の部品を入れられるよう、シンクに45Lのゴミ袋など大きめの袋を広げておく。
- 【STEP 5】
換気扇のコンセントを抜く。
- 【STEP 6】
説明書の通りに換気扇の部品を外す。説明書の中で分解することを推奨していない箇所は無理に外さない。
- 【STEP 7】
袋の中に、重曹とセスキ炭酸ソーダを1対1の割合で入れて、42〜45度のお湯で洗剤が溶けるまでしっかりと混ぜる。
- 【STEP 8】
外した部品を、【STEP7】の中に入れる。
- 【STEP 9】
ゴミ袋の口を結び、30分ほど放置する。
- 【STEP 10】
部品の細かい部分をこすり洗いし、お湯でしっかりと洗 い流してから、雑巾で水気を拭き取り、乾かして元に戻す。
頑固な汚れは浸け置きしても落ちないケースがあります。そんなときは、キッチン用の油汚れ用洗剤に変更して、スポンジやブラシでこすって落としましょう。また、素材がアルミ製の場合は、油汚れ用の洗剤が強い場合、素材が変色することがあります。使用する洗剤の使い方をよく読み、用法を守って使いましょう。
換気扇の油汚れは、放置時間が長くなればなるほど頑固になります。そのため、定期的に掃除をするようにしましょう。「料理の回数が少ない」「料理であまり油を使わない」という場合、数ヶ月~半年に一度程度の掃除で大丈夫です。一方、毎日料理をするご家庭や、揚げ物や炒め物など油を使う料理を好む場合は、月一度の掃除を心掛けてください。
- 【STEP 1】
- レンジフード
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換気扇と同様、レンジフードも油汚れが付きやすい場所として挙げられます。放置すると、調理後も匂いが漂ったり、キッチン回りがベタベタしたりするので、定期的な掃除が重要です。以下では、レンジフードの効果的な掃除方法を紹介します。換気扇と同様、お湯を使うのがポイントとなります。
●用意するもの
ゴミ袋(45Lなど大きめのもの)、
ゴムマット、 油汚れ用洗剤、 台所用洗剤、 スポンジブラシ、 雑巾、 ゴム手袋 -
【STEP 1】
まずは掃除中に間違えてコンロの火を点けないように、着火ボタンのロックを必ずかけておく。
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【STEP 2】
レンジフードの掃除中に汚れないよう、新聞紙でコンロの上を保護する。
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【STEP 3】
シンクが傷つかないように、シンクの底に雑巾やゴムマットを敷いておく。
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【STEP 4】
レンジフードの電源をオフにする。
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【STEP 5】
レンジフードのフィルターを取り外す。
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【STEP 6】
フードカバーの中にある、照明・ファンとつながっているコネクタを外す。もしコネクタが外れない場合は、そこから先の作業は行わない。
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【STEP 7】
説明書の通りに、シロッコファンを外していく。説明書の中で分解することを推奨していない箇所は無理に外さない。
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【STEP 8】
袋の中に、油汚れ用洗剤を入れて、食器用洗剤を大さじ1だけ入れる。42〜45度のお湯で洗剤が溶けるまでしっかりと混ぜる。
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【STEP 9】
外した部品を、【STEP8】の中に入れる。
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【STEP 10】
ゴミ袋の口を結び、30分ほど放置する。
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【STEP 11】
部品の細かい部分をこすり洗いし、お湯でしっかりと洗い 流してから、雑巾で水気を拭き取り、乾かして元に戻す。
また、素材がアルミ製の場合は、油汚れ用の洗剤によって素材が変色することがあります。使用する洗剤の使い 方をよく読み、用法を守って使いましょう。
取り外せない部分も掃除自体は可能です。古布で油を拭き取ったあと、お湯で固く絞ったマイクロファイバーク ロスに油汚れ用洗剤を吹きかけ、汚れている部分を拭きましょう。最後に、お湯で固く絞ったマイクロファイ バークロスで洗剤を拭き取り、雑巾で水気を拭き取り乾燥させたら完了です。
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【STEP 1】
- ガスコンロ
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揚げ物などをした際、真っ先に汚れる場所がガスコンロです。そのため、汚れに気づいてからではなく、普段からこまめに掃除するようにしましょう。おすすめは、「重曹水」で拭き掃除をする方法です。
「重曹水」で拭き掃除をする方法
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【STEP 1】
まずは掃除中に間違えてコンロの火を点けないように、着火ボタンのロックを必ずかけておく。
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【STEP 2】
「重曹(小さじ1杯)」「水100ml」をスプレーボトルに入れよく溶かし重曹水を作る。
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【STEP 3】
天板など掃除したい場所に重曹水を吹きかけて、5分ほど放置する。
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【STEP 4】
お湯で固絞りをしたマイクロファイバークロスで汚れと重曹水を拭き取る。
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【STEP 5】
拭き残しを防ぐため、2~3回ほどお湯拭きする。
しつこい汚れの場合、以下のような掃除方法を部位別に試してみてください。
◆五徳
五徳の場合、「沸騰重曹水」に浸け置きする方法がおすすめです。重曹(大さじ1杯)と水(1L)を大きい鍋か深いフライパンに入れ、5分ほど沸騰させます。ここに五徳を浸け置き2時間ほど放置しましょう。この間に重曹水が汚れを中和してくれます。最後は汚れと重曹水を洗い流してください。
◆キッチンの天板(調理台)
普段の掃除で使う「重曹水」を活用しましょう。油汚れにスプレーを振りかけ、重曹と汚れがなじむまで5分ほど放置します。次に、スポンジで汚れをこすり落としてください。最後に全体を水拭きして完了です。なお、頑固な油汚れや焦げ汚れには、重曹を直接まぶしたり、「重曹ペースト」を付けたりするのがおすすめです。重曹ペーストは、重曹(大さじ3杯)に水(大さじ1杯)を混ぜて作ります。
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【STEP 1】
- 床
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調理中に飛び散る油や、煙に含まれた油でキッチンの床は想像以上に汚れています。1週間汚れを放置するだけで汚れは固まってしまうので、そうなる前にこまめに掃除をするようにしましょう。
●準備するもの
重曹、
バケツ、 マイクロファイバークロス -
【STEP 1】
濃度が3~5%になるようバケツで500ml〜1Lほどの 重曹水を作る。
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【STEP 2】
雑巾に重曹水を染み込ませ床をしっかりと拭く。
なお、バケツで重曹水を作るのが面倒な場合は「重曹スプレー」を作り、油汚れの上に吹きかける方法でも問題ありません。べたつきが頑固な場合は重曹水を吹きかけた上にラップをし、10分ほどそのままにしましょう。その後、酸化した油が中和されて浮き上がってくるので、全体を優しく水拭きしてください。
ただし、床にワックスやコーティングを塗布している場合は、重曹水を使うとワックスの色が変色したり、剥がれたりすることがあります。隅の方で試して大丈夫なことを確認してから、広い面を掃除してください。また、塗布している場合は長時間洗剤を放置しておくこともやめておきましょう。吹きかけたらすぐに拭き取るのが理想的です。
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【STEP 1】
4. 床の油跳ね対策できていますか?
日常的に料理をしていると、キッチンの油汚れに悩むことは多いでしょう。油汚れを防ぐためには、油ができる限り飛散しないよう注意することが重要です。炒め物や揚げ物をする際は、床に新聞紙を敷く、飛散防止ネットを使うなどの対策をしましょう。
床の油跳ね対策の中で特におすすめなのが、「まる洗いできるキッチンマット」をあらかじめ敷いておく方法です。マットで床を保護すれば床を拭く回数自体を減らせ、きれいな状態を長期間保てるでしょう。
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監修者 樽川めぐみ
(株)横浜GLITTER代表取締役として、神奈川県のハウスクリーニング専門店「キラッとハウス」、セミナー事業の「Japan Cleaning School」の事業を展開。お掃除アドバイザーとしては、プロの清掃作業からアイディアを得た、一般家庭でも楽に早く掃除が終わる「ラクおわ」掃除を提唱して、TVや雑誌などでも数多く取り上げられている。2022年には自叙伝「家なしお掃除起業で人生逆転した主婦の話: 金コネ学歴なしでもドンとこい!」をAmazonより出版、13部門1位5部門ベストセラー1位獲得。