【汚れ落としのプロ直伝】
便座・便器のしつこい黄ばみの落とし方とは?
自宅の掃除を本格的にやろうと思うと、結構な労力を使うものです。特にトイレは毎日使用する場所なので、気持ち良く使えるように清潔に保つためには根気強く、さらには継続的に掃除をする必要があるでしょう。しかし、トイレの便座や便器にしつこく付着した黄ばみを落とすのは一筋縄ではいきません。
トイレを清潔に気持ち良く使用するためには、普段からキレイに保つためのコツが重要になります。自宅のトイレの汚れを撲滅するためにも、便座・便器に黄ばみがつく理由やプロ直伝の掃除方法を紹介します。
1. トイレ(便座・便器)に黄ばみが付く理由は?
トイレのフタを開けて便座の裏側や便器の奥をチェックしてみると、黄ばみや汚れがこびりついていることも珍しくありません。こまめに掃除しないとあっという間に増えてしまう黄ばみですが、付着する原因は何でしょうか。
トイレの黄ばみは「尿石」が原因で生じます。飛び散った尿が便座や便器に付着し、尿に含まれるカルシウムなどが結晶化したものが尿石です。女性だけがお住いのご自宅では、便座を上げる機会が少ないので便座の裏に黄ばみが付着しやすく、男性がいるご家庭の場合は立った状態でトイレを使用することも多いので床や壁にできるケースもあります。
また、尿石は文字通りで尿が「石化」した状態であり、その他の汚れよりも頑固で、掃除では落ちづらい点が特徴です。そのため、黄ばみが気になっても、本格的な汚れ落としをするのが面倒でついつい後回しにしてしまう方も多いでしょう。黄ばみを放置し続けると尿汚れを空気中の細菌が分解することでアンモニア臭を放つリスクが高まります。黄ばみを発見したら早急に対処することが、トイレを気持ち良く使い続けるうえでは重要だと言えます。
2. 黄ばみをキレイに掃除する方法
トイレをキレイに使おうと慎重を期していても、尿は目に見えないほど細かい飛沫となって飛び散るので、尿石ができるのを完全に防ぐのは難しいと言えるでしょう。そのため、黄ばみを見つけ次第すぐに掃除することが、トイレを清潔に保つカギとなります。便座や便器の黄ばみを効率的にキレイにする方法を紹介します。
黄ばみの元となる尿石は、アルカリ性です。そのため、掃除する際はアルカリ性とは反対の性質である「酸性」の洗剤を使用しましょう。王道の洗剤として広く使用されているのが、「クエン酸」です。クエン酸はドラッグストアやスーパー、100円ショップでも購入できるうえ、安価なのも特徴。便利でお財布にも優しいお掃除アイテムです。
- ●準備するものクエン酸・スプレーボトル・水・不要なタオルやキッチンペーパー
- 【STEP 1】水200mlにクエン酸(小さじ1/2杯)(約1%濃度)を混ぜる
- 【STEP 2】クエン酸水をスプレーボトルに入れる
- 【STEP 3】クエン酸水を黄ばみが気になる部分に吹き付ける
- 【STEP 4】不要なタオルやキッチンペーパーで拭き取る
クエン酸は尿石による黄ばみに加え、同じアルカリ性の汚れである「水アカ」「石鹼カス」などにも効果的です。クエン酸での黄ばみ落としを実感できたら、他の箇所でも試してみましょう。
初期の黄ばみ掃除にはトイレ用シートがおすすめです。洗浄成分があらかじめ含まれているため、きつくこすらなくても汚れが落ちるでしょう。尿が付着してから間もない状態なら、尿石化はそこまで進行していません。長期間放置して落としにくい頑固な汚れになる前に、トイレ用シートで手早く掃除しておきましょう。
なお、「初期の黄ばみだからトイレットペーパーでも落とせるだろう」という考えはおすすめしません。黄ばみを拭き取れないばかりか、便座や蓋などのプラスチック部分に傷がつきやすいため、 掃除にトイレットペーパーの使用を推奨しないメーカーが大半です。
黄ばみを長期間放置し、汚れが落ちづらくなった場合の対処法としては、「汚れを削り落とす」「酸性洗剤で落とす」などが挙げられます。
●陶器部分の汚れを削り落とす
黄ばみが完全に尿石化した場合、陶器部分に限っては物理的に「削り落とす」という方法があります。その際に使用する道具としては、「トイレ用研磨ブラシ」「耐水サンドペーパー」「陶器用特殊研磨スポンジ」などがあります。これらの道具を使う場合は、「力を入れ過ぎないこと」が重要です。必要以上に削ると便器に傷がつき、それが溝となって汚れや菌が溜まってしまうこともあります。また、掃除中に力み過ぎてウォシュレットを破損してしまうケースもあるようなので、力任せに掃除するのは控えましょう。なお、陶器部分以外(便座などのプラスチック部分など)には物理的に汚れを削り落とす方法はおすすめしません。
●研磨効果のあるクレンザーで落とす
こちらも陶器部分にしか使用はできませんが、頑固な黄ばみや尿石を落とすためには研磨効果のあるクレンザーを活用するのも1つの方法です。ケイ酸鉱物などの「研磨剤成分」を材料に含んでいるので、便座などのプラスチック部分へのご使用はお控えください。
3. 便器・便座裏をキレイに掃除する方法
便座のフチや裏側は、尿石による汚れが特につきやすい場所です。そのため、クエン酸水やトイレ用シートだけでは対応できないケースもあります。そんな時は、クエン酸水を使って便座を「パック」してみましょう。準備するのはクエン酸水のほか、トイレットペーパー、ラップだけです。
便座の「パック」方法
- 【STEP 1】クエン酸水をトイレットペーパーの上から吹きかける
- 【STEP 2】汚れが目立つ場所にトイレットペーパーを貼る
- 【STEP 3】10分パックした後、トイレを流す
- 【STEP 4】スポンジやブラシでゆるんだ汚れをこすり洗いする
- 【STEP 5】再度トイレを流す
- 【STEP 6】トイレ用シートで仕上げ拭きをする
4. 黄ばみを予防する方法
便座や便器の黄ばみはさまざまな方法で落とせますが、理想は「黄ばみができない状態」に保つことです。黄ばみを寄せつけない効果的な予防策を紹介します。
- 洗浄剤で「汚れにくい状態」を作る
-
掃除の手間を省くためには、「汚れにくい状態」を作ることがベストです。スタンプ型洗浄剤や置き型洗浄剤を使用することで、尿の成分が便器に付着しにくくなります。スタンプ型洗浄剤は便器に、置き型洗浄剤はタンクや水道部分に設置します。なお、このタイプの洗浄剤は、水を流すたびに汚れを落とせるのもポイントです。ドラッグストアやスーパーでも購入できるので、ぜひ探してみてください。
- こまめな掃除を心掛ける
-
尿石の付着を防ぐためには、「こまめな掃除」が重要です。「トイレ用シートで床や壁を拭く」「ブラシで便器を軽くこする」などこまめな簡単な掃除を普段から心掛けましょう。汚れが深刻化してから掃除をするよりも、手間を短縮できるはずです。尿汚れが放置され、アンモニア臭に変わるのがおよそ1週間なので、週に2回以上(3日に1回くらい)掃除する 習慣があれば、清潔さを十分に保てるでしょう。「忙しくて掃除の時間がない!」という方は、尿石が付着しやすいフチ裏をブラシで定期的にこすり洗いすることをおすすめします。
5. トイレマット・カバーの使用で清潔に
黄ばみの付着を防止するためには、便器・便座に尿石がつかないように心掛けることも重要です。飛散した尿による床汚れを防ぐトイレマットやカバーを紹介します。清潔で快適なトイレ環境の実現にぜひお役立てください。
乾度良好Dナチュレ 洗える トイレマット
乾度良好シリーズのトイレマットです。「何人も使った後でもビシャビシャしない」バスマットから始まったシリーズ。繊維の1本1本に無数の穴を設け、その穴から吸水することで素早く乾くのが特徴です。洗濯後もすぐにサラサラドライで快適な使い心地を、トイレマットでも体感してみてください。
◆乾度良好Dナチュレ 洗える トイレマット 3,000円(税込)~
乾度良好Dナチュレ トイレタリーを全て見る>>
エトフ トイレ便座カバー 洗浄・暖房型専用タイプ
やわらかな肌ざわりと収縮性が特徴の便座カバーです。
生地には抗菌防臭加工繊維クリーンフレッシュを使用。
繊維上の細菌の増殖を抑制し、防臭効果が期待できます。
◆エトフ 便座カバー 洗浄・暖房型専用タイプ 1,100円(税込)
エトフ トイレタリーを全て見る>>
プリスベイスウィル トイレフタカバー ドレニモタイプ
東レの消臭繊維「アデリカ」を使用したトイレフタカバーです。繊維そのものに消臭効果があるため、洗濯したり日光に当てたりすることで消臭機能が回復します。
◆プリスベイスウィル トイレフタカバー
プリスベイスウィル トイレタリーを全て見る>>
おすすめアイテムはこちら
当店人気乾度良好
乾度良好Dナチュレ
優等生キッチンマット
玄関マット
ベジマジシリーズ
ピタペトモ
監修者 本橋 ひろえ
東京都杉並区出身。北里大学衛生学部化学科(現・理学部化学科)卒業後、化学薬品企業に就職。自身と子どものアトピー体質をきっかけに、掃除や洗濯、洗剤を化学的に解説する「ナチュラルクリーニング講座」を2006年にスタート。「ナチュラル洗剤そうじ術」「ナチュラルおそうじ大全」「ナチュラルおせんたく大全」など著書は8冊にもなる。アメブロやインスタにて、日々お掃除情報を発信中。現在は夫、娘、猫3匹と暮らしている。